初めまして。DART'Sという名前で演劇をやっているものです。
公演blogをお借りして、劇団と今回の作品の紹介をしたいと思います。
少々、お付き合いくださいませ。
●「DART'S」とは?
DART'Sは、今のところワンシチュエーションのソリッド・サスペンスを作ってっております。今のところは。横文字ばかりでよくわかんないですよね。
要は、サスペンスです。騙したり、死んだりする的な内容です。
危機的状況に陥った人間を目の前でみれたら面白いじゃないですか。
本気で人が人を殺そうとする瞬間なんてなかなかみられないじゃないですか。
いや、怖いですけどね。
広瀬というDART'Sの変態作家がそういうの好きらしいです。
本人はえらい恐がりなので、痛かったり怖かったりする映画とか一切見られないらしいです。どうかしてますね。ソウという映画を10分でギブアップしたとか。
演劇で、このようなお話をやっているのは理由があります。
観客を巻き込む力がとても強いから、です。
まるで自分が参加しているかのように、目の前で繰り広げられるお話を体験していただけたらいいな。と、思ってます。
DART'Sでは基本的に、華やかな演出効果のない舞台で、俳優の力だけをたよりに物語を作ります。
今回は30分ということで、その時間でしかできないことをします。
面白がっていただけたら、うれしいです。
広瀬でした。
●今回のお話「ブラインド・タッチ」
「登場人物が、これを読んでいるあなただったら」
という設定で今回の物語を紹介してみましょう。
体験版というやつですね。はい、どうぞ。
某月某日。
あなたは、変わり者の友人の家に遊びに行きます。
そこには何人かの友人がいて、一緒に食事をすることになりました。
あなたの記憶は、そこで途切れます。
刺すような激痛とともにあなたは目を覚まします。
目が痛くて、まぶたを開けることができず、何が起きたのかまったくわかりません。
頭が痛くて、ぼんやりとして、状況がつかめません。
そしてゆっくりと、友人の家に来たことを思い出します。
体の感覚が回復してきて、両手、両足をそれぞれ縛られていることに気づきます。
「なんだろう、これは」
疑問に思いつつも、何も見えず体も動かせない状態にだんだんと恐怖がわきあがってきます。悪ふざけとは思えない頭の痛みです。
手を縛っていたのはガムテープで、必死に動かすと少し緩みます。
あなたは必死に手足を動かし拘束を解くことに成功します。
ずっと痛かった頭を触ると、顔のあたりがぬるりとします。
そこであなたは状況を理解します。
「これは血だ! 自分の両目から血が出ている!」
目に怪我をしている。だから目を開けることができないのだ。
かすかな物音を聞いたあなたは、手探りで状況を探ることにしました。
同じように縛られている人間を発見し、状況が判明します。
この部屋には7人いるということ。
全員が自分と同じように目を負傷しているということ。
ここは変わり者の友人の家で、その地下にある隠し部屋であるということ。
「とにかく、ここを出て病院に行こう」
あなたがみんなに提案すると、部屋の主である友人が言います。
「この部屋から出ることはできない」
友人が説明します。この部屋から外に出るためには暗証番号の入力が必要だと。その入力装置は、テンキーの配置が毎回変わるタイプで、目が見えない自分たちは正確に入力することができないのだと。
あなたは何でもいいから入力しようとします。
順番に押していればいつかは正解にたどり着くでしょうから。
しかし、友人がそれを止めます。
「むやみに入力してはいけない。10回の入力制限があるんだ」
暗証番号は6桁の数字。「000000」を入れて100万通り。
閉じ込められた部屋。7人の人間。奪われた眼球。6桁の暗証番号。10回の入力制限。
どうすれば助かることができるのか?
だれが、どうして、こんなことをしたのか?
100万分の1の正解にたどり着くことはできるのか?
あなたは、どうしますか?
このような感じです。
皆様、宜しく御願いいたします。
PS:広瀬演出で、同時期に公演あります。もし、ご興味ありましたらこちらもどうぞ。
エビス駅前バープロデュース
「したごころ、」
2/25(金)~3/12(土)
作:米内山陽子(トリコ劇場)
演出:広瀬格(DART'S)
http://www.ebisubar.jp/
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